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2009年4月

人間育て

 児童精神科医、佐々木正美先生の書いた本

(子どもへのまなざし 等)を読むにつれて、だんだんと、

自分の幼少期の発達過程をも解き明かされていくような

感覚になる。

乳幼児期は育児にとって基礎の時期であり、この時期を

どう子どもとつきあうかが、その後の子どもの人格の形成に

大きな影響を与えるということ。

(くわしい内容は先生の著書を読むことをおすすめします)

                                                                   

言うなれば、この時期は建物でいう基礎工事であって、

基礎工事がしっかりできていれば、あとはリフォームしようが

建て増ししようがどうにでもなる。

人間で言うと、乳幼児期の基盤があれば、どんな高校、大学に

行こうがいくらでもやり直しがきく。

                                                                

建物ならば、基礎工事もすべて取り壊し、最初からやり直す

ことは可能だ。

しかし、人間だとそうはいかない。

10歳になってから、30歳になってから幼稚園に行き直したり

などできないのである。

                                                            

乳幼児期の基盤がないと、思春期、青年期以降に大きな

影響が出てきて、その後の将来の生き方にもそれは及ぶ。

(”育てなおし”することでしか治療できない精神の病もあるという)

                                                        

子どもの乳幼児期に親がどんな気持ちでいたか、どんなふうに

接していたかは、子どもが成人した後にいつかバレる時が

くることだってあるだろう。

なぜなら、子ども自身が社会に出てからのつまずき方や、

うまくいかない人間関係の中でいやおう無く向かってしまう

原点だからだ。

日常生活で忙しくしている時は、ただ気がまぎれているだけで、

本質的な問題がなくなったわけではないのだから。

                                                           

子ども自身が成長してから本人の努力で取り戻したかのように

できるにはできるが、多大なエネルギーを要するという。

                                                             

 私の場合は、成長するにつれて親(主に父親)の気持ちを

先に読み取り、親が喜びそうなことをするのに心を奪われて、

親に手を焼かせないような子どもだったので、精神状態は

不健康だったのだと、この本を知ることで理解したのでした。

(10歳で拒食症になったのもその表れ)

                                                             

また、幼少期にならなおさら、親が担わなければならない役割を

親が果たせなかったために、小さな子どもがそれを

させられているという奇妙で不健康な状態。

それでもまだ昔は、近所に幼なじみや同じクラスの友達が

けっこういて、毎日の遊びのなかで子ども同士で

育ちあうことができた。                                        

                                                           

社会背景が変化した現代は、人間育て、

どうすればいいのだろう。

みなさん、どうしておられるのでしょう。

 

                                                       

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社会性と発達過程について2

 社会性の発達には、人を信頼できるということが

基盤にあるらしい。 それは乳幼児期に得た母親への

信頼感であるという。

乳幼児は、オムツを替えて欲しいと泣き、お腹がすいたと泣き、

退屈だと泣き、寂しいと泣いて、母親を呼びつける。

                                                                     

自分では何もできない時期に、母親を振り回すくらいである

といいという。

この乳幼児期に、十分な依存をし、それに対して十分な

愛情を得た経験があると、児童期に他者との

コミュニケーションがうまくできるようになっている。

(ひいては将来大人になってからのコミュニケーション

上手の基盤もここにある)

                                                           

この十分な依存期間に愛情を受けた上でないと、「しつけ」

は成り立たないという。    いわるゆ”父性”が受け持つ、

社会のルールや規則を教える役割のことだ。

(たとえ、離婚などで母親しかいない場合でも、その父性の

役割もやることは可能なのだと。父親だけの場合も然り)

                                                             

注目すべきは、家庭の中の夫婦の力関係が大きな影響を

その後に残すことだ。

父親は家庭の中で、第一の主導権を持ち、導く役割で、

両親と子供の位置づけにはっきり境界線があること。

(子供中心でない)

この場合、父親は安心して迎えられる主導的役割を果

たしているので、自発的な楽しい家族団らんがある。

                                                        

反対に、家庭の中でも支配、権威的で厳格な生理整頓や

礼儀作法など秩序を厳格に守らせる頑固で支配的な父親と

母親も同じような傾向を示し、あるいは協調ではなく、

競争的な力関係の葛藤を持っている家庭では、

子供が二つの障害を起こしやすいという。

                                                            

一つは、子供の心理的内省エネルギーが家庭の内側に

求心的に向かう場合で、彼らは自らの感情の表出を抑圧し、

非社会的で自発性の乏しい行動様態を身につけて、

神経症の状態に陥りがちとなる。

場面緘黙、登校拒否、拒食症や過食症の青少年は

こういった状況から生まれやすいという。

                                                         

もう一つは子供の心理的エネルギーが家庭の外側に遠心的に

向かう場合で、非行など反社会的な不適応行動を示すもの。

この両親は相互に葛藤パワーを強く持っており、相手を

自分の意志どおりに操作しようと競い合う緊張関係にあることを

観察結果は明らかにしているとのこと。

                                                         

それから、女の子にみられるもので、母親が女性として、

子どもが肯定するような母性を十分に発揮できなかった場合、

母親(女性)への同一化を避けて、男性的な行動様式を

とったり、男性的なやり方での自己主張をする性格をつくりあげて

いく人たちもいる。

                                                          

同様に父親への拒否的な感情が優位になると、男の子どもは

男性化の発達が停滞し、受動的、依存的行動様式を示す

ようになる。

                                                              

人間が、人間になっていく過程の心理的要素は複雑である。。

人間の発達について知ることが、自分には必要と思っている

人たちにはこの類の本を手に取ることになるだろうと思う。 

                                                            

                                                       

    

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社会性と発達過程について

 このところ、児童精神医療のことばかり、素人なりに

憚らずも書いているが、それは私にとって

(私の生い立ちとその家族環境)、知らなくてはならないことの

ひとつだからであると思っている。

乳幼児期に親にどう接してもらったか、12歳までに適切な

発達課程を経てきたかが、その後の長い人生に深く関わること

になると痛感しているからだ。

                                                            

子育て中の友人に教えてもらった児童精神科医の

佐々木正美先生の書いた本を読んで、なるほど今までの

謎が解け、納得できる良質な回答を得ることができた。

                                                               

 「自分が本当にやりたいことを手控えて、親を喜ばせようなんて

考える必要は少しもない。そんなことでは、一度きりの人生が

残念なことになる。親を踏み台に大きくなっていけばいい。

親より先に死ななければそれでいいんだ」

  『児童精神科医が語る 響きあう心を育てたい』

         佐々木 正美 著 より

                                                        

過保護と過干渉の違いなど、理解している人はあまりいない

のではないだろうか?

(もっとも、今では誰も教えることができないのが現状でしょう)

私も初めてほんとうの答えを知り、目から鱗が落ちました。

つまり、本人が自ら望んでいることはどんどん手伝い、保護して

あげることがいい、と。

(命に関わる危険や社会的に許されないこと以外)

その過保護でおかしくなった子どもを見たことがないそうです。

                                                         

過干渉とは、本人が望んでもいないことをやってあげること

だそうである。これは親自身の望みでありエゴである。

このところを勘違いしている人はかなりいるのでは

ないだろうか?

引きこもりになることのない人間を育て、社会に送り出す

ことは大人の重大な責任。

                                                             

不幸にも、乳幼児期から児童期までに発達に適切な課程を

獲得することのできなかった現代の多くの人たちには、

一人でも多くこの児童精神科の内容を知ってもらいたいと思う。

そして自分の子どもに同じことを連鎖させないように

することに力を注いでほしいと思う。

                                                                                                                       

たくさんの兄弟がいて、ご近所社会が成り立っていたために

母親がきちんと社会性を持っていたむかしむかしの時代とは

変わり、今の時代に合った社会性の身に付け方を

模索していかないと、将来、本当に社会性のある人間が

いなくなってしまう可能性だってあるだろう。

                                                           

危機感を共有できる人たちが増えていくことを心から願う。

                                                          

                                                            

                                                        

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