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2009年3月

知恵

子どもが親のことを思いやるようになったら、親の末期だ。

親というのは死ぬまで一方的に子どものことを

思いやる存在だから。

           (佐々木 正美のことばの森)

                                                            

 親を大事にするということがどういうことなのか、

この児童精神科医の佐々木正美先生のことばが

教えてくれる。

                                                            

子どもの自立心を育てるということは、周囲の人に頼ることを

教えることである。

                                                              

自分では何もできない時に周囲の人に手をかしてもらったことと、

自立の芽とは深いつながりがある。

                                                                   

 人に頼ることの下手な私が、自立に苦しんだのは

そういうことだったのかと思う。

人の力をかりること、人を頼ることがいいことだと知ったのは

最近です。。。

人は頼りあい、 支えあう共存体なのですね。

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移動しはじめるときだけが

 いつでも飛行機や車や電車に乗っていたかった。

あまりあれこれ考えなくていいし、自分がふらふらしていることを

忘れることができる。

                                                            

 移動しはじめるときだけが好きなのだ。目的地が近づいてくると

少しだけ憂鬱になる。 また地面におりてその中の時間に

入り込まなくちゃならなくなる。 そこにはいろいろな人々の

気持ちが渦巻いていて、私はそこに少しずつからめとられ、

なにかをもらったり吸い取られたりする。

それこそが生きていくことだってわかっているからこそ、

いやなのだ。

         『彼女について』 よしもとばなな

                                                           

 よしもとばななの小説にはそこかしこに、私の気持ちが

表現されていてハッとすることが多い。

小説を読んでいる時間がすきである。

小説家の役割というものに惚れ込んでいる。

                                                            

世の中に様々な仕事が存在し、それに従事する人々がいて、

なにかしらの役割を果たしているもの。

自分ができないことは他の誰かが担っている。

他の誰かができないことを自分が担っている。

そうやって世の中まわっていく。

                                                          

一瞬すれ違う人、出会う人それぞれにその人の

人生の層がある。

なにを背負い、なにに向かってどこへ行こうとし、

なにになりたいかを、自覚している人は

凪のように静かだ。

                                                             

                                                             

                                                            

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読書のススメ

 草は花を咲かせ枯れていく。

 老木の養分が新芽を育てる。

                                                              

この頃は、衰えてゆくことを悲観的にとらえないようになった。

「年はとりたくないねぇ」 などど嘆く中高年をたまに見かける。

そうだろうか。

いつまでも若いアマちゃんのまま、空虚なまま、不老不死に

なりたいとでも本気で思っているのだろうか?

                                                           

ちゃんと年をとり、年々いろんなことを解するようになり、

若い時より少しは賢くなって、ものの見方も広くなることは

面白いことだと、いま私は個人的に思う。

生まれたからいつか死ぬ。

(哲学者の故池田晶子さんも著書で言っていた、死因とは、

どんな病気によらず、生まれたことによる)

                                                             

日本は経済成長期もとうに終り、成熟化を迎え、生とは、死とは

を振り返るちょうどいい時期に映画『おくりびと』が作られたものだ。

なぜこんなに支持されるのかはアカデミー賞を獲得したから

だけでなく、日本人、いや人類にとって必然なタイミングに

適切だった、としかいいようがないように思う。

                                                              

声を大にして言おう。

年をとることを楽しもう!

増えていく皺、衰えていく身体。 それは今生きている瞬間

にしか起こらないたしかな現象。

受け容れて、川の流れのように生命を流れさせたい。

                                                           

たくさんの本を読んで考える力、考えぬく力をつけて、

若い時からそうしてきた人は必然と、

まちがいなく未来を形成する担い手となることでしょう。

                                                          

『おくりびと』主演のモッくんをはじめ、小泉今日子、薬師丸ひろ子、

そういった中年世代の人たちがどんどん素敵な顔つきになり、

魅力と輝きを増してきている。

人間的な内容の深みとともにオリジナリティがおのずと表に出る。

素敵な中年世代の人たちが見本になると、若年世代の人たちも

生きやすくなると思う。 

                                                        

白髪が老けさせて見える。シワが痛々しくみえる。

そういう人と、逆に魅力にみえる人との違いが、

中年以降、如実にはっきりと分かれてしまう。

                                                      

春です。

本を読みましょう!?

                                                                                                                  

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事件簿?

 警察の方が家に二人たずねてきた。

警察というから、制服を着た人が来るのかと思っていたが、

私服の刑事さんだった。

"刑事” という職業の人はテレビドラマでしか見たことが

なかったので、興味津々、初対面。

                                                           

 かれこれ一年ほど前、スポーツクラブの会員証をどこかで落とし、

それが忘れた頃になって見つかったとのこと。

所持していたのはなんと!車上荒らしを繰り返して警察に

捕まった犯人だった。

犯人の盗んだ数あるもののうちの中に、私の会員証があった。

                                                          

警察の方によると、犯人は初犯ではあったが他人の名前が

入ったものを盗み、あるいは拾い、集めるクセがあるという。

聞けば妻子もある中年の男だというではないか。

せんだって判決が確定し、執行猶予付きの懲役2年。

それで、警察側で盗難品を被害者に返す作業を行っているというわけ。

(ここでやっと、振り込め詐欺関係の偽刑事ではないと

安心した私であった)

                                                             

他の被害者の方々はバッグや貴重品もあったらしいが、

私のはなんせ、つまらぬもの。

わざわざ山形の警察署(犯人は新潟在住で、秋田出身のため、

途中の山形でなんらかのわけで御用となった)から、

新潟まで出向き、それぞれの被害者へ返却作業をしている

ということであった。

                                                            

ご苦労様です。

金銭価値のない、たかがスポクラ会員証、されど名前の入った

私物である会員証。

ほんとうに、骨折り作業だ。

こんなもののために来てもらって申し訳ない思いで一杯に

なりながらも、刑事課のこまめな処理対応に感服。

                                                            

だけど。。。。もっとなんとかならぬものだろうか。

新潟の警察に引き継いで、引き取りに来るまで預ける等、

同じ警察組織なのに、、、、と、

腑に落ちない思いに駆られました。

(山形から交通費、宿泊費をかけて出向く必要があるの?)

                                                      

私服の刑事さんと初めて応対したが、知らない世界を垣間見

たようでちょっとドキドキ。

年若い青年と老練した風のベテラン刑事の二人組みというところも

ドラマと同じではないか!

                                                           

事件なんてのは絵空事、と思っていたが、

事件は日常の中にあるのだと思った。

いつ事件に巻き込まれても不思議ではない。

刑事もののテレビドラマがなぜあんなにあるのか、作るのか、

それって、人生には表と裏があり、生き抜く上では汚いものも

見なくてはならないという、この世の厳しさを無言のうちに

知らせているように思えてくる。                                                       

                                                            

この世に生を受けて初めて知る不浄の世界。

幼子だった無垢な子供もいずれ、人生の表裏、光と影を

知らなくて生きてはいけないのだ。

善と悪、表と裏。

どちらも共存して初めて人としてどう生きるべきかを

考える既得権をもつことができるような気がする。

                                                              

それにしても犯人逮捕の現場、現実って、どんななのだろう。

なにを隠そう私、よくテレビで見る「万引きGメン」を

やってみたいと思う方なので。

                                                            

                                                          

                                                           

                                                           

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